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山と森の店 「遊山」

店長の旅のつれづれ日記

霧ヶ峰とヒュッテ・ジャヴェル

 先日、猛暑の高知からほんの少し逃避、信州・霧ヶ峰へ‥‥、今回私が最も期待したのは、霧ヶ峰高原沢渡にあるヒュッテ・ジャヴェルです。登山や自然との関わりの愉しみを尾崎喜八の著書「山の絵本」や紀行文、詩等から感化された。私にとっては青春のバイブルでした。その山小屋に宿泊する偶然の驚きに心が張裂けるような思いの旅となりました。交友のあったヒュッテ・ジャヴェルの御主人との会話や暖炉のある食堂や居間には、どの山小屋とも違う趣のあるヒュッテ・ジャヴェルで、尾崎喜八の沢山の蔵書や彼の在りし日の存在を感じました。

 翌日、早朝の車山への登山では、富士山と見間違う円錐形の美しい蓼科山が見え、八ヶ岳・富士山・南アルプスと名峰が堂々と居並ぶ、反対には北アルプスも見えるはずだったが遠くてよく見えなかったが、この景色ひとつひとつにも彼は何度か登り返したことを想像し少しばかり共有できた喜びが私には大きな思い出となった。下山後は、初秋の風に沢山のススキが波うつ、八島湿原を一周する木道脇には秋を代表するマツムシ草やサラシナショウマ・赤色のアサマフウロ等数えきれないほどに次々と花が咲き乱れていた。途中には歌碑「あざみの歌」や「山小屋の灯」がありくちずさむ。45年前の思いに浸るには少し時が過ぎ去ってしまった気もするが‥‥。

 宿の御主人から頂いた「高原のエッセイ」高橋達郎著(宿御主人の父上)に尾崎喜八の命名した山小屋ヒュッテ・ジャヴぇルと記載されていた。

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